3 葉の肌の見方
風蘭の葉をよく観察してみると、葉の形や柄だけではなく肌にも特徴のあるものがあります。
この葉の肌の特徴を「地合い(ぢあい)」とも呼んで楽しんでいます。
地合いの種類としては大変光沢のあるもの,滑らかなもの,荒肌のものなどがあり、その中でも非常に珍しいものとしては,葉面上の表又は裏に肉厚のヒダの立つ「竜(りゅう)」や表面がざらざらとした立条線が流れている宝熨斗(たからのし)に見える芸やラシャ地に似た肌が柔和な感じできらめいた金銀羅紗(きんぎんらしゃ)に見られる「羅紗(らしゃ)」芸やヤスリ目のザラザラした感触を刻みこんだ鑢高隈(やすりたかくま)に見られる「鑢(やすり)」芸などがあります。このように葉の肌を見ても,こだわりの精神で見つめていくと普通の風蘭の肌と異なったものを見つけることができます。
以下に、地合いの違いを代表的な風蘭の写真を使って載せておきますので、参考にしてみて下さい。
4 付けの見方
風蘭の葉元に横に1本の線が走っているのに気が付くと思いますが,これは葉が古くなると枯れて落ちるときは,この線を境に落ちる部分です。この線を「付け(つけ)」と呼んでいます。富貴蘭の品種ではこの付けの様子に特徴を見ることができるほど、大切な見方になります。
まず,付けの特徴を見てみましょう。普通の風蘭の付けは「月型」といって,両端から葉元の方に丸く曲がった月型が一番多く,これ以外の型のものはまず少ないと思います。したがって,付けを見ると葉の特徴が見えてきます。
それでは、付けの種類について説明していきましょう。
まず,葉を真横に一直線のものを「一文字型」で銀世界・紅孔雀があります。
次に中央部が凸っぱたものが「山型」で舞鶴・青海等がそうです。
また波状をえがくものが「波型」で十二単・糸青海等がそうです。
これ以外にも, 上記した型などが交った付けがあり、代表的なものとしては一文字に近い波型などがあります。
風蘭の中には、付け自体が無いものも存在します。
これらの付けの変化は葉の変化や花の変化にも深く関係があると思われるので,風蘭の選別には付けの鑑賞が重要であります。
以下に、付けの形状の違いを代表的な風蘭の写真を使って載せておきますので、参考にしてみて下さい。
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